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“いま一番ホット”な双子の姉妹…岩井明愛＆千怜のゴルフはなぜ面白い？「我が家は毎日が合宿」父が明かす“魅せるゴルフ”の原点とは
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byJIJI PRESS
posted2023/07/05 11:04
今季は姉妹で優勝争いを演じるなど話題の中心にいる岩井明愛（左）と千怜（写真は千怜のツアー初優勝時／2022年）。初の海外メジャーとなる全米女子オープンでも活躍が期待される
見ている人々がワクワクしながら、もっと見たいと思ってくれる。そういう選手になることを子どものころから目指してきた姉妹は、優勝をスマートに手に入れる必勝策より、ファンをエンタテインし、喜ばせることを常に優先している。
その姿勢が伝わってくるからこそ、岩井姉妹の人気は急上昇しており、そうやって、どんどん増えつつあるファンをすでに味方に付けていることは、若い2人の大きな強みになっている。
もちろん、気持ちや姿勢、理想論だけで好成績が出せるはずはなく、ましてや勝利に手が届くはずもない。だが、姉妹は小学生のころから陸上やサッカーにも精を出し、弟・光太を含めた3人は「みんなで走り、みんなで球を打ち、我が家は毎日が合宿のようでした」（父・雄士氏）。
鍛え抜かれた体幹、足腰、強靭なメンタリティ。アスリートに求められるもの、勝つために必要なものをしっかり身につけてきた姉妹は、それほど強固な土台を築いていながらも、勝つことにガツガツする代わりに「ファンに楽しんでもらいたい」と笑顔でクラブを振っている。
その姿は、原石が磨かれた末にようやく輝きを放つ「いわゆるダイヤモンド」とは異なり、明るくおおらかな光を自ずと放つ別の希少な宝石なのではないかと思えてくる。
2人揃って全米女子オープンへ
今週、岩井姉妹はメジャー大会の全米女子オープンに生まれて初めて挑もうとしている。
「海外で戦ってみたい」「メジャーに出たい」は、プロになる以前からの2人の夢だった。千怜は今年5月初旬の世界ランキング75位以内に食い込み、出場条件を満たした。明愛は5月末に千葉で行なわれた最終予選に挑み、116名中5名の狭き門をトップ通過し、夢の舞台への切符を手に入れた。
2人は今年2月にホンダLPGAタイランドにスポンサー推薦で出場。それが初めて経験した「海外試合」だったが、全米女子オープンは、言うまでもなくアジアではなく米国での開催である。いきなりの米本土上陸となり、しかも開催コースは名門ペブルビーチだ。
