楽しむ伏兵がかっさらう未来。

　外野の一角を奪い取る決意のほどは――。そんな質問も用意していたが、出すまでもなかった。心にまとっていた重い鎧を脱ぎ捨てた関根は、そんなことをまるで意に介していないだろう。

　久々に言葉を交わし、思う。

　たしかに、関根が現状を打破し飛躍するために必要としていたものは、軽やかさだったのかもしれない。自らを追い詰めず、野球というスポーツの楽しさを味わいながらグラウンドに立ったとき、関根の本領がついに発揮されるのかもしれない。

　紅白戦のときのように、アピールするつもりがないからこそ出る大胆さが、結果的に最高のアピールになることはあり得る。

　外野の真ん中でも、両翼のいずれかでも、伏兵が楽しげにかっさらう未来はあり得る。

　まずはオープン戦、24歳の躍動にじっくり目を凝らしてみたい。