東京の大舞台への思いは「最」。

　大声援とともに東京への切符を勝ち取った野口さんは、大事な一年の始まりを茨城県の実家で迎えた。

　何千回、何万回と登った壁で“初登り”を終えた彼女は、東京の大舞台への思いを書き初めに込めた。

　半紙には迷わず「最」としたためた。

　そこには3つの意味が込められている。

「私にとって夏の東京は最初で最後の大舞台です。というのも、東京を現役最後の大会と決めているので。そんな二度とない大舞台で、私は競技人生最高のパフォーマンスをしたい。頭の中にあるのは、それだけです」

　今年8月、彼女の背中には世界選手権をはるかに超える、人生最大の大声援が押し寄せる。本番にめっぽう強いアスリートはもう一度、限界を超えるはずだ。

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