W杯ベスト4を目指す極東のチームは、彼らの目にどう映ったのか。
オランダ対日本戦のハーフタイム、『フットボール・インターナショナル』誌のタコ・ファンデンフェルデ記者は、日本を絶賛した。
「テクニックと運動量があり、戦術の完成度も高い。日本がここまでやるとは思わなかった。前半は完全にオランダより上だ」
さすが分析に定評のある人気記者、流れるように日本の良さを挙げていった。
「14番(中村憲剛)と11番(玉田圭司)のフォアチェッキングは見事だった。オランダのDFは攻撃を組み立てることが全くできなかったからね。中盤では7番(遠藤保仁)と17番(長谷部誠)の2人でオランダのMF3人を押さえ込んでいた。これはすごいことだ」
日本を絶賛したのは彼だけではない。TV中継のゲストとして訪れた元オランダ代表DFのヤープ・スタムも日本を褒めちぎった。
「ボールをよくコントロールし、ワンタッチプレーを多く使うのがいい。特に気に入ったのは、ボールのないところでムーブメントを起こしていることだ。個人では、17番(長谷部)が目を引いた。常にファイトして、献身的でプレーに熱がある。前半カイトを完璧に押さえ込んだストッパー(闘莉王)も、自信に満ちていて良かった」
オランダで最も有名なアナウンサー、ジャック・ファンヘルダーは「日本の10番からはインテリジェンスを感じる」と、中村俊輔の戦術眼に感心していた。
前半同様のプレーを90分間続けるか、前半に得点して逃げ切るか?
しかし――。
周知のとおり、後半、日本は急失速する。もはや前半のようなプレスをかけられず、DFラインのまわりにスペースが生まれ、69分にファンペルシ、73分にスナイデル、87分にフンテラールと立て続けにゴールを叩き込まれた。0-3。岡田監督が就任して以来、最も力の差を見せつけられた試合となった。
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