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試合用は20万円超…やり投・上田百寧が愛用する“追い風用”と海外での困惑「私のやりを毎回使う選手がいて」「天井にバキッ!と…」《戦う女の相棒論①》

2026/10/09
リリースする際、最後に人差し指で押し出してスピンをかけるのが理想だという

 すでに知っている人にとっては常識でも、知らない人にとっては、驚くほど非常識な事柄が、世の中には意外とある。

 やり投等の投てき種目では公平性の担保を理由に、自分が持参した投てき用具を他の選手が使用しても、何ら問題はない――。

 25歳でパリ五輪に出場し、今年に入って日本歴代3位の自己ベスト(63m50)を記録した上田百寧(ももね)には、あまり大きな声では言えない悩みがある。

「日本の選手はみんな自分のやりで試合に臨みますけど、海外ではやりを持ち込まず、会場にあるやりだけを使う選手が多くいます。持ち主の名前が書いてあっても、お構いなし(笑)。誰とは言いませんけど、海外で転戦するたびに決まって私のやりを選ぶ選手がいて、ちょっと困ったこともあって」

Chihiro Kihara
Chihiro Kihara

 これまで何に困ったのか?

(1)その選手(仮称A)が試合前の練習で上田のやりを使うと、練習の場合、係員はフィールドに投げられたやりをなかなか回収してくれない。だから、練習中にやりを持ってじっくり準備したくても、できなかった。

(2)実際に試合でAが、上田の直前に投てきしたことがあった。出番を目前に控えているのに、自分の手元に肝心のやりがないというストレスに苛まれる。

(3)試合でAが投げた後、係員に「あれは自分のやりなので取ってきてください」と頼まなければならない。戻ってきたやりの先端に付着した土や芝を取り除くのも手間。しかもすぐ投げないといけないから、急いでしまっていつものルーティンが崩れる。

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photograph by Chihiro Kihara

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