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「これは翔平の提案だ」エンゼルス・大谷翔平の完封&2本塁打…“伝説のダブルヘッダー”とその後遺症生まれたのか?《番記者が振り返る「2023.7.27 vs.タイガース」》
2024/12/31
第1試合でメジャー初完封、第2試合で2打席連続弾。球史に残る前代未聞の活躍を披露したが、一方で、その後の戦線離脱に繋がる“兆し”も見えていた――。密着歴11年の番記者が、激動の2試合を振り返る。(原題:[タイガースvs.エンゼルス]2023.7.27「伝説のダブルヘッダー」)
2023年7月26日。真夏のデトロイトはうだるような蒸し暑さだった。さらにその日は、高温多湿に拍車をかけるように夜にかけて激しい雨の予報だった。
午後2時過ぎ、タイガース対エンゼルスのナイターが雨天中止となった。そして翌27日がダブルヘッダーになることが発表された。タイガースの本拠地コメリカ・パークに向かうと、コンコース外のフェンスから球場で赤いユニホーム姿の選手たちがキャッチボールをしている姿が見えた。
しばらくすると報道陣のスタンドへの入場が許されたが、大谷翔平の姿は見えない。そうこうするうちに大粒の雨が降り始め、慌ててコンコースに避難。隣にいる記者の声が聞き取れないほど、けたたましい雨音が球場中に響き渡った。
フィル・ネビン監督のオンライン会見の時間が近づき、球場より静かなホテルで参加しようかと迷っている時に、地下通路に大谷が現れたとの情報が入った。練習を終えた大谷は帽子を浅く被り、Tシャツ姿でバスに乗り込んでいった。
あまりの雨音の大きさに、オンライン会見はホテルに戻ってから参加した。ネビン監督は、当初28日のブルージェイズ戦で登板予定だった大谷が、1日前倒しして27日のタイガース戦の第1試合に先発することを公表。ダブルヘッダー2試合にDHで出場した後にトロントへ移動して登板することは負担が大きいと判断したという。ネビン監督は「これは翔平の提案。彼は自分の体を熟知している」と説明した。
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photograph by Getty Images