もともと高校野球はずっとテレビをつけてるくらい好きで、'09年春に花巻東が甲子園決勝へ進出した時は、球場まで見に行きました。岩手県勢の中でも地元の水沢に近い高校でしたし、こんな機会もないなと思って。その応援の熱が翌年も続いて「今年はどうだろう」なんて見ていた時に、いい投手が新しく入った、しかも出身が水沢南中学校と知って「なんだ! 同じ中学じゃん」と驚き、注目したのが大谷さんでした。
母校の水沢南中は地元だと「ナンチュウ」と呼ばれています。ナンチュウの同窓会では「息子が大谷の同級生」という話を聞いて、大谷さんが「自分の子どもくらいの年代なんだ……」と軽く衝撃を受けました。
彼が高校1年の2011年、東日本大震災がありました。花巻は内陸なんですが、沿岸から来ているチームメイトもいるという記事を読んで「ああ、彼は被災を目に見える形で体験して、震災関連のニュースや報道も耳にして学校生活を送っているんだな」と思ったんです。災害を経験したすべての子どもたちを応援したいわけですが、大谷さんをその代表のような気持ちで見ているのかな、と思います。
僕は当時、圧倒的な被害を前に「漫画家なんて役に立たない」と自己否定みたいな気持ちになりがちでした。大谷さんも野球に対して、どこかそういうふうに思うこともあったんじゃないかなと想像します。それでも彼なりに整理をつけて、練習を続け、結果を出すというのはすごいですよね。
僕は何年かおきに大洋ホエールズが好きになったり、広島カープが好きになったりするプロ野球ブームがたまにあったんですが、かれこれ10年近くプロ野球を見ていなかった。ただ、大谷さんが日本ハムに入り、彼の活躍が見たいと思って、ネット放送のパ・リーグTVに加入しました。娘がまだ小さかったので、ライブ中継で追いかけるのがメインでしたけど、1回だけ東京ドームに見に行ったこともあります。
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