「特別なことは何もしないね」
あきれたようなつぶやきが聞こえた。
9月14日。神戸製鋼に加入した世界の英雄ダン・カーターの日本デビュー戦。秩父宮ラグビー場には1万7576人がつめかけた。
この夜のカーターは1T2G4PGの21得点。トリッキーなパスを投げるわけでもロングキックを蹴るわけでもないが、常に大きく首を動かして目を配り、周りの選手と話す。ピッチのすべては背番号10が掌握していた。
「すべてのプレーヤーの手本ですね」
敗れたサントリーの沢木敬介監督は脱帽した。しかしスーパースターは自らを誇らない。
「チームメートが頑張ってくれたから、僕はやりやすかったよ」
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photograph by Nobuhiko Otomo