日本人には不可能と言われたカヌー競技でのメダル獲得。歴史的快挙を成した青年は、粛々と次の進化を目指していた。大舞台での活躍を経てなお、その歩みを止めることはない。
羽根田卓也、29歳。
リオデジャネイロ五輪のカヌー・スラローム男子カナディアンシングルで、アジア人として初めて銅メダルを獲得した。
スラロームは、激しい水の流れの中でスタートからゴールまで、水の強さと向き合いながら進む。カヌーを操る技術と速さ、ペナルティポイントをいかに少なくするかが得点に繋がる。昨秋のプレ五輪大会では、本番と同じコースで2位。五輪直前の6月に行われたW杯では、日本人初の3位に入り、自信を高めて臨んだ本番だった。
「この1年が一番強くなった実感がある」
羽根田は少しずつ、しかし確実に成果を感じていた。
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photograph by AFLO