やや大げさに言えば、間もなく日本ボクシング界長年の夢が現実のものとなる――。
7月25日、後楽園ホールで予定されているのは日本ヘビー級王座決定戦だ。元K-1王者の藤本京太郎と日本のジム所属のアフリカ人オケロ・ピーターが争うのは、半世紀以上も前に一度だけ行なわれ、以後コミッション預かりとなっている最重量級のタイトル戦である。
「日本人ヘビー級」と聞くだけで一部のファンは色もの扱いしかねない。「日本人にヘビー級は無理」と信じられ、実際かくも長きにわたってタイトルが凍結されたという事実がそれを物語っている。最初で最後の日本ヘビー級タイトル戦が行なわれたのは、1957年5月4日、東京・京橋公会堂。相撲出身の片岡昇が中越豊に10回判定勝ちで初代王者と認定されたが、「スピードもスタミナもない」凡戦と評され、片岡はその後一度もリングに上がらず姿を消してしまう。
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photograph by BOXING BEAT