ようやく出てきたか。いい意味で予想を裏切る活躍に、関係者からは笑みがこぼれた。6月4~6日、東京・辰巳で行なわれた競泳ジャパンオープンでのひとこまである。
今シーズンは五輪中間年であり、世界選手権もない。だからこそ、日本競泳陣にとって、地力を上げることがテーマの1年である。とくに女子は、北京五輪後、長年リードしてきた選手たちが引退。昨年の世界選手権はメダルなしに終わるなど低迷しているだけに、新たな選手の台頭があるかが今大会の注目点だった。
「とうとう開花」した14歳が100mバタフライを制す。
期待にこたえたのが、100mバタフライを制した中学3年、14歳の細田梨乃である。'08年のジュニア・オリンピックで50、100mを制するなど期待を集めていた選手だが、今大会は予選から好調。全体の2位で決勝に進むと、北京五輪日本代表の加藤ゆからを破り、初優勝を果たしたのだ。しかもタイムは日本歴代2位。6月4日に発表された今季世界ランクでは7位に入った。身長161cmながら、リーチは約170cmという長い手をいかした大きな泳ぎと後半の強さを特長として持つだけに、アテネ五輪で中西悠子が銅メダルを獲得した200mでも速くなる可能性を秘める。
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photograph by NIKKAN SPORTS