#742
巻頭特集

記事を
ブックマークする

【現地密着インタビュー】 宮崎大輔 「スペインで掴んだ世界への手がかり」

2009/12/09
バルサなど世界レベルのチームと戦い、宮崎は着実に成長している
 20年ぶりの五輪出場にあと一歩と迫りながら、砕け散った夢。悔しさを抱えたまま、ハンドボール日本代表・宮崎大輔は、スペインの地でボールを追っていた。
ここには黄色い声援もない。ただ強くなるために、宮崎は考え、格闘している。

 スペイン・マドリッドから北へ約20km。新興住宅街といった趣きもあるアルコベンダスに、宮崎大輔はいた。市内のスポーツコンプレックスの体育館に辿り着くと、「よくここが判りましたねぇ」と驚きながら宮崎は出迎えてくれた。「オリンピックへ出るために」とトライアウトを受けてまで移籍した、世界最高峰のスペインリーグ。序盤戦を終えての手応えを、尋ねた。

「想像と違ったというより、想像以上のものがありましたね」

――今回海外へ、その中でもスペインを選んだ理由というのは何だったのですか?

「国際試合を通じて、オリンピックに出るには、個々を鍛えなきゃいけないと素直に思うようになったんです。チーム力というのもありますが、まずは個人の力をもっと強くして、チーム力の基となるレベルを上げる必要があると。やっぱり日本リーグだと徐々に、甘えみたいなものが出てきてしまうし、海外に出ないと変えられない部分も見えてきたんです。世界のリーグの中で、レベル的にはスペインとドイツが一番と言われているんですよ。

 大学を休学して約2年間留学したときに、2部まででしかプレーできなかったので、1部でやりたいという思いが強く残っていた、という理由もありますね」

――スペインに来てみて、想像していたのと違ったことはありますか?

「想像と違ったというより、想像以上のものがありましたね。プレーの技術レベルが想像以上に高くて、これでシュートが打てる! と思っても、簡単にゴールまでいかせてくれないんです。ポジショニングとか、ディフェンスの寄り方とか、リーチとか、一歩の感覚が全然違うんですよ。だから自分の間合いをしっかりと持っていないといけないですね。

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Yukihito Taguchi

0

0

0

前記事