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ドラフト会見待機も名前呼ばれず「静まり返る部屋、無言で解散に…」西武の29歳捕手が振り返る2度の指名漏れ「もう野球やめよう」どん底からの大逆転秘話
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byNumberWeb
posted2026/10/22 17:00
2度の指名漏れがその後のプロ入りへ大きな糧となった
先輩投手に「永遠に首を振られて(笑)」
決意を胸に進んだのはHonda鈴鹿硬式野球部だった。当時のチームには10人以上のピッチャーがおり、高卒の柘植は当然、一番年下だった。先輩ピッチャーとバッテリーを組み、リードしていかなければならない。
「当時、監督だった甲元訓さん(現GM)は、とても気持ちが熱い方で、キャッチャーである自分にはとにかく配球の重要性を説いてくださるかたでした。試合の前に相手打線を想定して『スコアを書いてみろ』と言われまして、何を投げたらどういう結果になるかを予想して毎日、スコアブックを書いた覚えがあります」
試合をするときには、年上のピッチャー陣との会話から配球の大切さを学んだ。
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「平井克典さん(元ライオンズ投手)には試合中、サインを出しても永遠に首を振られました(苦笑)。『もう球種は一周してますけど?』って感じで」
普段から投手陣とさまざまな会話を交わし、投手が何を考えているのか、どういった性格なのかを理解することが大切だと学んだ。
「もちろん、事前に書いたスコアブック通りにはいかずに、ヒットを打たれることはたくさんあって。想像通りにいかない場面も想定しておきなさいと監督とコーチには口酸っぱく言われていましたね」
亡き恩師に叩きこまれた「基礎」
バッテリーコーチを務めており、今年1月、58歳の若さで亡くなった今久留主成幸氏からは、キャッチャーとしての基礎を叩き込まれた。
「インコースの使い方、打者の特徴をつかむこと、打者が何をねらっているのかなど、映像を見ながらミーティングをしていただきました。下半身を鍛える練習にもずっと付き合ってくださいましたね」
今久留主氏からは「そんなプレーをしていたらプロでは通用しないぞ」とよくゲキを飛ばされたという。柘植の力を見て「ゆくゆくはプロに行く逸材」と認めていた証拠だろう。
「社会人では配球面が伸びたと自分では思います。組み立て、ピッチャーの長所を引き出す方法などを学ばせてもらったと思っています」

