阪神は救援投手の活用に定評があるが、今季の救援陣も充実していた。

＜主要な救援投手たち＞
スアレス 51試3勝1敗25SV 8HD 52.1回 率2.24
岩崎優 41試5勝2敗2SV 17HD 39.2回 率1.82
能見篤史 34試1勝0敗1SV 4HD 24.2回 率4.74
エドワーズ 23試0勝1敗 0SV 12HD 22.2回 率2.38
ガンケル 28試2勝4敗0SV 11HD 56.2回 率3.18
馬場皐輔 32試2勝1敗0SV 9HD 30.1回 率2.08
岩貞祐太 38試7勝3敗0SV 8HD 71回 率3.30
藤浪晋太郎 24試1勝6敗0SV 7HD 76.1回 率4.01

　シャープな左腕の岩崎、制球力が売りの馬場、緩急が武器の技巧派岩貞、先発から「勝利の方程式」に加わって働いたエドワーズ、個性の異なる多彩なセットアッパーが控えていた。

2020年も安定感のあるピッチングを見せた岩崎©Kiichi Matsumoto

藤浪は救援成績だけなら防御率2.35

　後半戦には藤浪晋太郎がこれに加わった。中継ぎに転向した藤浪は、いきなり160km/hを出すなどほれぼれするような投球をした。先発のときに必要だったパワー配分が不要だったからだろう。救援だけでいえば13試合0勝1敗7ホールド、防御率2.35。来季は先発だろうが、無敵のセットアッパーになる可能性があったと思う。

中継ぎとして復活の気配を漂わせた藤浪。2021年はどうなるか©JIJI PRESS

西勇輝をはじめ100イニング突破が3人

＜主要な先発投手陣 藤浪は先発だけの成績＞
西勇輝 21試11勝5敗147.2回 率2.26
青柳晃洋 21試7勝9敗120.2回 率3.36
秋山拓巳 18試11勝3敗112回 率2.89
高橋遥人 12試5勝4敗76回 率2.49
ガルシア 14試2勝6敗75.1回 率4.42
藤浪晋太郎 11試1勝5敗61回 率4.43

　沢村賞候補にはならなかったが、西はリーグ屈指の安定感だった。これも阪神FAの成功事例と言えよう。100イニング以上が3人。防御率2点台の先発が4人、ピッチャーズパーク甲子園の利点を活かした先発投手陣は一級品だった。藤浪が本格的に加われば、リーグ1の先発陣になる。大いに期待が持てるだろう。