オバマ大統領からも「君のビッグファンだ」と告白される。

　7月には9年連続となるオールスター・ゲームに出場。一昨年のようなMVP獲得はならなかったが、3打数1安打としっかり結果を残した。ただ今年は試合そのものよりも試合前にバラク・オバマ大統領に対面したことがより強い印象を与えている。クラブハウスで「君のビッグファンだ」と声をかけられ、彼からサインボールをプレゼントされたのだ。その光景はテレビニュースで放送された。イチロー自身「ワッツ・アップ？（調子はどう？）って言う予定だったけど、とてもそんな雰囲気じゃなかった」とそのときの様子を「サー、なんて使ったのは初めて」とジョークを交えながらコメントするなど、この出来事を楽しんだようである。

首位打者も視野に入れたラストスパートが始まった！

　7月も3割3分6厘と好調を維持し、夏場の疲労も感じさせなかったイチローに変化が起こったのはメジャー通算2000本安打と9年連続200本安打達成が見えてきた8月23日のことだった。インディアンス戦でふくらはぎの張りを訴えて途中交代したのである。結局4月と同じ8試合の欠場を強いられることとなった。

　復帰は9月1日。いきなり2安打というのがやはりイチローらしいところか。その後も連日安打を産み出し、6日にはメジャー通算2000本安打を達成。さらに前人未到の9年連続200本安打まで5本と迫り（日本時間9月7日現在）、打率でも3割6分2厘で首位打者のマウアー（ツインズ）を4厘差で追っている。

　いつ調子を崩してもおかしくないピンチを何度もくぐり抜けてきたイチローが、偉大な“通過点”に到達する日はもうそこまで来ている。