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W杯の前と後、Jリーグはどう変わる?
選手移籍と注目の新戦力を検証する。 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2014/07/15 11:50

W杯の前と後、Jリーグはどう変わる?選手移籍と注目の新戦力を検証する。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

「中心選手として試合に出たいという思いが強くなった」とW杯終了後に語っていた柿谷。スイス・バーゼル移籍に関しては「サッカーだけでなく、全てにおいて成功するという思いを持っている」。

十代のスター候補選手は、レギュラー獲りなるか。

 若き日の柿谷、清武弘嗣も着けた13番を背負うC大阪の南野はすでにリーグ戦13試合出場と主力級だ。ただ今季はここまでノーゴール。中断前ラストの第14節・浦和戦では守備タスクを求められたとはいえ、ほとんど攻撃面で持ち味を発揮できなかった。柿谷がチームを去った今こそ、明確な結果が必要とされる。

 開幕前はほぼ無名だったが、浦和で“ジョーカー役”としての地位を確立しつつあるのが関根だ。彼の持ち味は原口と同じくドリブルなのだが、原口のように細かなタッチからスピードに乗るというより、短距離ランナーのような初速で相手を“ブチ抜いて”いくタイプ。公式戦初ゴールを挙げた第14節・C大阪戦では柏木陽介とのワンツーから相手マーカーを一瞬で置き去りにして公式戦初ゴールを奪った。

 柏の秋野は、希少価値が高い左利きのボランチ。田中のようなアタッカーではなく、中盤で組み立てるゲームメーカータイプだが、'11年のU-17W杯では日本代表の一員として2列目のポジションもこなし、アルゼンチン戦ではゴールも奪っている。ネルシーニョ監督の期待も大きいようで、第12節の鳥栖戦では先発出場を果たしている。

 とはいえ浦和には梅崎司や平川忠亮、柏では狩野健太や茨田陽生ら実力者がそろっているため、一度インパクトを残しただけで即レギュラーとはいかない。その厳しい環境でコンスタントに活躍できるか。彼らがそれを乗り越えられれば、チームにも好影響をもたらすことになる。

残留争いをするクラブの、起死回生の策は?

 一方で、残留争いに巻き込まれているクラブもテコ入れを図っている。

●名古屋グランパス(15位)
In:レアンドロ・ドミンゲス(MF/柏)

●ガンバ大阪(16位)
In:パトリック(FW/サルグエイロ※)
Out:加地亮(DF/チーバスUSA)、エブソン(DF/讃岐※)

●大宮アルディージャ(17位)
In:ムルジャ(FW/レッドスター)、チョ・ウォニ(MF/慶南FC)
Out:ラドンチッチ(FW/大分)、チョ・ヨンチョル(FW/カタールSC)

●徳島ヴォルティス(18位)
In:村松大輔(DF/清水※)

 徳島以外の3チームに共通するのは、外国人選手に活路を求めている点だろう。

【次ページ】 外国人選手の加入で激変の可能性があるクラブ。

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