朝青龍は序盤でつまずくと意外と脆い。そんな風評はまったくのでたらめだった。
平成19年初場所は、横綱が地力の違いを見せつけ、4場所連続20回目の優勝を楽々と成し遂げた。幕内在位37場所にしての優勝20回の大台達成は、大横綱大鵬の39場所を抜く最短記録である。年頭に掲げた自己の連勝記録更新こそ3日目に途切れたが、翌4日目から再発進。記録更新の夢を春場所以降に持ち越した。
年末はモンゴルに帰郷し、ほぼぶっつけ本番で臨んだ本場所だったが、揺るぎない自信は微動だにしなかった。よく朝青龍が口にする言葉がある。「休みでも完全休養しているわけじゃないよ」。誰も見た者はいないが、ひょっとしたら朝青龍は隠れた所でとんでもない秘密特訓をしているかも……。そんな妄想すら湧いてくる強さと貫禄だった。
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