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《復活秘話》「でも才木とか村上とか」タイガース高橋遥人が語る投手2冠の舞台裏と下村海翔らに苦言を呈した日「思い切って言った勇気に…」

2026/10/15
連覇の原動力となったのは、これまで故障続きで「幻のエース」と呼ばれた左腕の快進撃だった。初めてのシーズン完走の裏で、起きていた変化とは。(原題:[復活秘話]高橋遥人「30歳、遅れてきた本領発揮」)

 鈍い衝突音とともに、グラウンドに体を打ちつけられた。その瞬間、頭をよぎったのは「投げられない」を通り越して「歩けないかもしれない」というほどの恐怖だったという。

 高橋遥人に今季最大のピンチが訪れたのは、8月23日のDeNA戦。3回まで快調にアウトを積み重ね、2点リードで4回を迎えていた。2死満塁で打席に迎えた勝又温史を、伝家の宝刀ツーシームで引っかけさせて一塁方向への弱いゴロに打ち取った。一塁手・大山悠輔の守備範囲でもあったが、背番号29は素早く反応して猛然とマウンドを駆け下りていた。だが、捕球したかに見えたボールはグラブからこぼれ落ち、転がるボールを拾おうと一塁線上にいた高橋と、疾走してきた勝又が、激しく衝突した。

「首からメシメシッて音がして。うわ、これケガしたわ……って。これはもしかしたら歩けないかもって思ったんです。今まで首の痛みって大きく感じたことなかったんで。それがけっこう怖くて」

 首を押さえてうずくまる左腕に、大山、トレーナー、安藤優也投手チーフコーチ、さらに和田豊ヘッドコーチが駆け寄る。ベンチ裏からは球場スタッフの手で早急に担架も用意された。この試合どころか、残りのシーズンの戦線離脱も覚悟しなければならないのではないか――そう思った者も少なくないだろう。

まさかの「満塁だから投げなきゃ」

 ただ、本人は「続投」へ意識を向け始めていた。「めっちゃ痛かったですけど『あ、これ歩けるわ』って」。自力でベンチへ戻り、再びマウンドに上がった。

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photograph by Nanae Suzuki

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