「アレを見て、目標というか、夢が1個、増えました」
今秋のドラフト会議で1位候補に挙がる細野晴希の眼に力がこもった。3月、WBCを初めて熱心に見たのだという。
「大谷翔平さんが決勝の最後を任されていた。国を代表した試合で一番、大事なところを任される投手になりたい」
東亜学園高で甲子園に出場できなかった細野が一躍、脚光を浴びたのは昨年だ。
春の東都大学野球1部・2部入替戦で自己最速の155kmを計測。3年生だったが、スカウト勢に「今年のドラフトでも1位で消える」と評されたほどだ。
速球とカットボールを操り、今春は無傷の5勝で防御率0.82。MVPなど4冠で、東洋大を2部優勝に導いた。
投球フォームは猛々しさがまるでなく、意外なほど静かだ。ゆったりと投げるから打者も騙される。刹那、もう手遅れだ。切れ味鋭い真っすぐに差し込まれる。
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photograph by Ken Murakami