引退試合のスタンドで飛び交う声といえば「ありがとう」「お疲れ様」というファンからの感謝の気持ちがほとんどだ。しかし、9月24日の千葉で井口資仁に投げ掛けられた言葉は、それだけではなかった。
「頼むぞ」「これからもよろしく」
下位に沈んだ今シーズンのマリーンズを立て直すべく、新たな指揮官として井口の名前が報じられていた。正式決定を待たずして、引退試合に集まったファンが監督経験のない井口を新監督として受け入れたのは、21年の井口のプロ野球人生がチームの勝利とともに輝いていたからではなかったか。ホークスでリーグ優勝3度、日本一が2度。マリーンズでは日本プロ野球史上初めて、3位からの下克上を成し遂げ、日本一に輝いた。メジャーでもワールドチャンピオンを経験している。優勝請負人の冠がつく井口に、勝てるチームの条件を訊いてみたら、彼はこう言った。
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photograph by KYODO