#806
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<元日本代表の両翼論> 都並敏史&名良橋晃 「サイドバック、誰が正解か?」

2012/06/28
ザックジャパンの攻守の鍵となるサイドバック。
長友、内田がレギュラーを務めてきたが、
酒井宏、酒井高と新戦力も台頭してきた。
ブラジルW杯まであと2年。果たして下剋上は起こるのか?
元日本代表サイドバックコンビが縦横無尽に語り尽くす。

――最終予選は本田の得点で幕を開けましたが、長友のアシストが見事でした。

都並 もともと彼は走力に優れ、裏へ抜けるタイミングも非常にレベルが高い。ただ、相手DFとヨーイドンで競走してスピードで勝つことが多かった。読みがいい相手だと潰されちゃうわけです。でも、あのオマーン戦の1点目のクロスは、香川、前田がパスを交換している間にワンテンポ置いて、グッとスピードアップした。意図的にスペースを攻略する、次の段階の攻め上がりになってきた。ハイレベルなサイドバックの攻め上がり方に。

名良橋 相手に寄せるスキを与えない、ダイレクトでクロスを上げられるタイミングでした。クロスの蹴り方も変わってきました。

都並 変わったね。左足でボールを持つときに、以前は身体が内側を向き過ぎていたのが、今は外側を向くようになった。それによってクロスが安定して、ニアサイドへもスムーズに上げられるようになりつつある。

名良橋 DFなら「この蹴り方ならニアにくる」という予測をするんですけれど、長友はニアにもマイナスにも上げられますからね。

――右サイドの内田はどうでしょう? 名良橋さんは鹿島のチームメイトでしたが。

名良橋 今の代表は、左サイドに攻撃の比重がかかってますよね? 長友が上がれば、全体がスライドして守備のバランスを整える。そういう感覚はすごくしっかりしている。戦術理解度は高い。シャルケでも左サイドの選手が高い位置をとるので、バランスを取りながら飛び出している。そのなかで、攻め上がりのタイミングも磨いていると思う。それから、何と言ってもビルドアップがうまい!

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photograph by Asami Enomoto

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