開幕前に開催都市の財政難による準備の遅れや治安問題が懸念されるのはもはや毎度のお約束ではあるが、ことリオ五輪に限っては、恐怖感を抱かざるを得ないほど酷い状況だ。

　ブラジルのリオデジャネイロ州は五輪開幕を1カ月半後に控えた6月17日、深刻な財政危機による非常事態に直面していることを宣言し、「リオ五輪では治安面でも交通面でも責任を果たせない」と表明した。ルセフ大統領の職務停止に伴って職務を代行しているブラジルのテメル大統領代行は、即座に同州への緊急支援を明らかにしたが、リオ州政府による「治安、医療、公共交通などが全面的に崩壊する危険性がある」との説明は、何とも恐ろしい限りである。