パは対照的な方針の2チームのマッチレースか？

＜氏原英明＞

　Jリーグの順位展望コラムが出た時、もしプロ野球で自分にこの仕事が回ってきたらと、軽い気持ちで想像はしていた。しかし実際にNumberWeb編集部からこの依頼を受けた今は、この仕事の重みを感じている。本音は逃げ出したい（笑）。もちろん予想の正当性も重要だが、同時に下位と予想された球団の発奮材料となれば、この展望も価値が出てくると思って予想した。

　セ・リーグは巨人の独走とみる。FAで片岡治大、大竹寛を獲得。補強に余念がない。不安要素はキャンプ中に左肩を痛めた山口鉄也の状態。巨人ほどの戦力であればどのポジションに穴があいても采配で埋められるが、山口だけは替えのきかない選手だからだ。

　対抗は広島と中日。広島は、昨季球団初のCSに進出。昨秋のドラフトでは担当スカウトが目玉選手の大瀬良大地を引き当てるなど、風が吹いている。

　中日は、昨オフ就任した落合博満GMが断行した年俸の大幅カットが功を奏するのではないか。「お前たち、これだけ下げられて悔しくないのか」とでもいうようなGMのメッセージに、常勝軍団が簡単に引き下がるわけがない。

　パ・リーグでは、12球団で唯一キャンプ前から先発ローテーション6人を決定したという先発陣の充実度から、西武を推したい。伊原春樹新監督が就任して、チーム改革が着実に進んでいる。

　伊原監督といえば厳しさばかりが報道されるが、春季キャンプでは全体練習の時間を短縮。自主練習を増やすことで、個々に自律心を持たせた。この方針により浅村栄斗、坂田遼、金子侑司ら若手選手たちの身体がさらにスケールアップ。昨年よりも一皮むけた大人のチームへの成長が期待できそう。中村剛也の出遅れは気がかりだが、復帰が4月中なら、問題はなしとみる。

　大型補強を敢行したソフトバンクは、OP戦での成績を見るようにダントツの力を持っている。当然優勝候補ではあるのだが、若手も上手く育ってきていただけに、その芽を摘みかねない方針がどう出るか。

　涌井秀章（ロッテへ）、片岡（巨人へ）を失い、大きな補強がない西武と、大型補強のソフトバンクが争うという不思議な構図を個人的には楽しみにしている。

　3位以下はダンゴレース。どこが来ても、不思議はない。

セ・リーグ
1位：巨人
2位：広島
3位：中日
4位：阪神
5位：DeNA
6位：ヤクルト

パ・リーグ
1位：西武
2位：ソフトバンク
3位：楽天
4位：日本ハム
5位：ロッテ
6位：オリックス

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