第2回WBC、特に前半戦における最大のサプライズは、何と言ってもオランダの躍進だった。まず、第1ラウンド初戦で強豪ドミニカ共和国を3対2の僅差で破る大番狂わせ。次戦でプエルトリコに1対3で負けはしたが、第2ラウンド進出をかけたドミニカとの再戦では延長11回に劇的なサヨナラ勝利。現役メジャー選手が1人もいない中、スター軍団に二度も土をつけて“シンデレラ”と称された。
S・ポンソンという元メジャー投手の存在
その支柱になったのはエースのシドニー・ポンソン。昨年まで実働11年間で90勝をあげた、メジャーリーグ経験者だ。昨年はヤンキースなどでプレーしていたが、FAとなった今年は行き先が決まっていなかった。ドミニカとの初戦の大金星は、先発の彼が「大事なのは信じること」とチームを鼓舞し、5回途中を2失点の好投で牽引したからこそ。第2ラウンドでも、ベネズエラ戦で敗れはしたものの5回2失点と接戦を演出した。そのポンソンが、“終戦”のわずか2日後にロイヤルズとマイナー契約。大会期間中、バックネット裏で熱心に選手の品定めをする各球団スカウトから高評価を得た結果だった。
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