「ボクサーに政治家は向かない」
定説というほどではないが筆者を含めてボクシングファンの多くはずっとそう信じてきたのではなかったか。自己演出に巧みなプロレスラーの方が断然向いている、と。
もちろん、ここで語ろうとしているのはマニー・パッキャオのケースである。6階級の世界王座を制し、祖国フィリピンの大統領選に立候補したカリスマボクサーだ。
ボクサーが政治家に向かないとみなされたのは、饒舌とは正反対の人たちが多かったからに違いない。「口ではなく、拳をして語らしめよ」という古くからの言い習わしもある。しかし近年は世界チャンピオン経験者が引退して政治家になる例も出てきた。坂田健史は稲城市議、清水智信も福井県議を立派に務めている。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by AFLO