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海外ツアーへの登竜門? 裏街道、全日本選手権の意義。 ~伏兵・江原弘泰がテニス日本一に~

2014/12/07
「思い描いたプレーができた」という江原。5歳からテニスを始めナダルに憧れる23歳だ。

 全日本選手権の位置づけは独特だ。テニス人生最大の目標とする選手がいる一方で、世界に出ていくためのステップと考える選手もいる。全日本の成績は世界ランクに反映されないが、日本一の勲章を海外進出の片道切符と見なすのだ。近年では伊藤竜馬、奈良くるみらが優勝して全日本を卒業、海外ツアーに専念している。主催者の日本テニス協会は昨年からシングルスの優勝賞金を400万円にアップ。天皇杯、秩父宮妃記念楯を争う名誉と賞金の実利を選手にアピールし、実力者の全日本離れを食い止めようとしているというのが現状だ。

 11月9日に決勝が行われた男子シングルスを制したのは江原弘泰。世界ランク591位、ノーシードの伏兵だった。準決勝でデビスカップ代表の内山靖崇(同262位)に競り勝つと、決勝では今年、ウィンブルドンにも出場した第1シードの杉田祐一(同124位)を破った。173cmの小兵はパワーに欠ける分、長いラリーに持ち込んであの手この手でチャンスを作った。フットワークを生かし、隅から隅までコートを走り回った。

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photograph by Hiromasa Mano

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