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慶應の箱根駅伝プロジェクト始動!
中心人物に聞く、独自の10年計画。

posted2017/04/18 08:00

 
慶應の箱根駅伝プロジェクト始動!中心人物に聞く、独自の10年計画。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

長距離専任コーチとして招聘された保科光作が強化の中心となる。箱根駅伝に慶應のエンブレムが帰って来るのはいつになるだろうか。

text by

神津伸子

神津伸子Nobuko Kozu

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photograph by

Shigeki Yamamoto

 2017年春。“慶應箱根駅伝プロジェクト”が始動した。

 慶應義塾大学の競走部が創部100周年を迎える今年、古豪が本気で乗り出した。

 実は慶應は、1920年に開催された第1回箱根駅伝に明治、早稲田、東京高等師範(現・筑波)と共に出場した「オリジナル4」の1校である。だが、'94年の70回記念大会を最後に、本戦には出場していない。

「箱根から大手町まで、沿道をブルーレッド&ブルーの三色旗で埋め尽くしたい」

「正月の熱い戦いに慶應が出ていないのは、本当に寂しかった。いよいよだ」

 そう声をあげるオールドファンも多い、待望のプロジェクト。箱根駅伝に新たな歴史が刻まれる日は近いのだろうか。

コーチの招聘、研究組織との連携。

「学生スポーツは、絶対に文武両道たるべし。今の箱根駅伝は視聴率競争、大学の売名など商業化がヒートアップし、話題性が先行してしまっている。

 我々は“学生スポーツの原点”としての駅伝に取り組みたい。それが慶應義塾のやり方です」

 プロジェクトメンバーは8人。リーダーの同校大学院政策・メディア研究科教授、蟹江憲史は、湘南藤沢キャンパス(以降SFC)の研究室で静かに切り出した。

 蟹江が中心となって始動させたプロジェクトの概要は、こうだ。

・日本体育大学OBの保科光作を競走部・長距離専任コーチに招聘。保科は日体大時代は箱根駅伝に4年連続出場、日清食品グループではニューイヤー駅伝優勝など、選手・指導者として実績もあり、両チームで主将を担った人物である。

・競走部とランニングデザイン・ラボとの連携。昨年末、SFC研究所に同ラボを設立。医学、生理学、栄養学、ITなどを活用して、駅伝競技の社会的意義からチーム強化方法などの研究を、競走部の現場と連携して実践的に進めていく。

・トレーナーとメディカルサポートの充実。同大スポーツ医学研究センターの医師3名と、アトランタ五輪で選手団スタッフでアスレティックトレーナーを務めた伊藤由記子らが、競走部の選手をサポートする。 

・一貫教育校との連携強化。慶應高校の競走部は、大学競走部と同じ日吉の陸上競技場で練習する。力があると認められた選手は、大学競走部の練習にも参加。他の一貫教育校との連携も強化していく。

 なかでも、蟹江の語気が強まったのは、研究プロジェクトとの協力体制について語った時だ。

「体育会と研究プロジェクトの連携と言うのは、本学で今までになかった試みではないでしょうか」

【次ページ】 キーマンの復帰、大学の動き、かみ合ったタイミング。

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