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岡田彰布がセ・パの今季順位を予想。
名将の意外な高評価&低評価は?
posted2016/03/24 11:00
text by
岡田彰布Akinobu Okada
photograph by
Hideki Sugiyama
<セ・リーグ順位予想>
1位 東京ヤクルトスワローズ
2位 中日ドラゴンズ
3位 阪神タイガース
4位 読売ジャイアンツ
5位 広島東洋カープ
6位 横浜DeNAベイスターズ
“実質補強”成功のヤクルトが今年も優勝!?
たとえ昨シーズン、好調だった選手であっても、データを徹底的に研究しつくされる現代野球においては、翌年も同じような活躍ができるとは限らない。こちらを研究してくる相手の裏をかき、新たな攻略法を考え続けていくのはプロの宿命だ。それでもFAによる戦力補強も含めた分厚い選手層、そして監督・コーチ陣の緻密な計算によって、10年間で6度のリーグ制覇を達成したのが、原監督が率いてきた巨人だった。
2007年以降、Aクラスから落ちたことがなかった巨人だが、その強さに翳りが見えていたのもたしかだ。阿部慎之助をはじめとする中心選手の衰えが目立つが、レギュラーを奪う若手の台頭もない。いよいよ世代交代に本腰を入れなければならない時期に差しかかった巨人は、当面苦しいシーズンが続くだろう。昨年の2位も使えるカード、考えられる作戦を使い果たして、ようやくもぎとった感があった。貯金はすでにない。実質的な戦力補強がない今年は、Bクラス転落も十分にある。野球賭博問題も尾を引くだろう。
逆に上積みがあるのは昨年優勝のヤクルトだ。主砲のバレンティンを欠き、先発陣も館山昌平を欠くという状態でシーズンの最後まで踏ん張り、優勝という成績を残したのだ。いわばフルメンバーで開幕を迎える今シーズンは、実質的に戦力補強をしたのと同じだ。さらにオリックスから移籍してきた坂口智隆も、センターのレギュラーを奪い取るなど復活に燃えている。連覇はむずかしいことだが、戦力的に最も充実しているヤクルトは優勝候補筆頭に挙げざるを得ない。