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松岡修造が語る'95年ウィンブルドン
ベスト8の真実と、錦織圭への思い。
posted2015/06/26 17:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Hiromasa Mano
ウィンブルドン開幕が近づいてきた。
1月の全豪、6月の全仏でグランドスラム2大会連続のベスト8進出を果たした錦織圭に期待がかかる。
テニスの聖地ウィンブルドンで、ベスト8入りを果たせば、日本人男子選手として、20年振りの快挙となる。20年前に、ベスト8に勝ち上がったのは、錦織を見守り続ける松岡修造氏だ。
Number880号の連載、「熱血修造一直線特別編」でも、全仏のベスト8という結果について、またイレギュラーバウンドが多い芝のコートでの戦い方について、こう綴っている。
「目の前にそびえ立つ、グランドスラムという大きな壁を全豪オープンに続き感じたはずだ。(中略)。誰よりも適応力のある圭なら、心もテニスも対応していけるはず。テニスの聖地で、日本の錦織圭が立ち向かう! まずは松岡修造のベスト8を抜いてくれ!」
錦織が感じたであろうグランドスラムという壁を、松岡氏はどのように乗り越えたのか。スポーツライターの金子達仁氏が話を聞いた。
リハビリを乗り越えて松岡氏が臨んだ、6回目のウィンブルドン。
1995年初夏――。松岡氏は、6度目のウィンブルドンに挑んでいた。
この頃、松岡氏は、ツアーでポイントを積み重ね、世界ランキングを上げたと思えば、両膝の負傷やウィルス性の奇病などに見舞われる不運が続いていた。リハビリを乗り越え、この年のウィンブルドンを順調に勝ち上がっていった。
3回戦では3時間45分の熱戦の末、ハビエル・フラナを下し、ベスト8進出をかけた4回戦へ。相手は、マイケル・ジョイス。セットカウント2-0の第3セット、ゲームカウント5-4で迎えた自らのサービスゲーム。
30-0。
マッチポイントまで、あと1本の場面で、松岡氏はある言葉を叫んだ。