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柏&名古屋の2強に迫るクラブは?
開幕直前! 20年目のJリーグを占う。 

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細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byAkihiro Sugimoto/AFLO SPORT

posted2012/03/09 10:31

柏&名古屋の2強に迫るクラブは?開幕直前! 20年目のJリーグを占う。<Number Web> photograph by Akihiro Sugimoto/AFLO SPORT

新体制のお披露目となった1月の記者会見にて。左から今野泰幸、セホーン新監督、そしてヘッドコーチに就任した呂比須ワグナー。監督就任直前とされた呂比須とセホーン監督はどのような役割分担になるのかなど、ベンチ内の動きも気になるチームとなった。

“改革”と“継続”、それから、そのどちらとも微妙にニュアンスの異なる“リスタート”。この3つが、20年目を迎えるJリーグの展望に道筋をつけるキーワードである。

“改革”に乗り出したクラブの代表格は、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸、浦和レッズ、そしてFC東京の4クラブだ。

 ガンバ大阪は2002年から10年間チームを率いた西野朗前監督が退任し、ブラジルで約30年もの監督キャリアを誇るセホーン新監督を招聘。当初、監督候補の最右翼だった元日本代表FW呂比須ワグナーをヘッドコーチとして迎え入れた。チームが外国籍首脳陣の指導下に置かれるのは、1999年5月まで指揮を執ったフランス人監督アントネッティ以来、実に13年ぶりのこと。ブラジル人監督はクラブ史上初である。この大きな変化の成否が、順位に影響することは間違いない。

 戦力的にも決して小さくない入れ替わりがあった。西野体制下で主力級と位置付けられた選手が大量にチームを去ったが、補強は日本代表DF今野泰幸を筆頭に、期限付き移籍からの復帰組と、ユースからの昇格組が中心。遠藤保仁を中心とするチーム作りに変わりはないが、長い年月をかけて築き上げた攻撃的なパスサッカーを同じ完成度で維持するのは簡単ではない。

 とはいえ、西野体制下の10年間では「3位以上が8回」という抜群の安定感を誇りながら、同時にリーグ制覇は1回だけともの足りなさも残した。10年の歴史に別れを告げる指揮体制のチェンジは、タイトル奪還に向けた強い決意の表れでもある。

ペトロビッチ新監督にチーム再建を託す浦和レッズ。

 同様に指揮体制の変化によって改革を敢行したのが、浦和レッズとFC東京だ。

 浦和レッズは昨季までサンフレッチェ広島を率いたペトロビッチを新指揮官に迎え、日本代表に名を連ねる阿部勇樹と槙野智章の補強に成功。システムが4バックから3バックへと変わり、パスサッカーへの“再転換”を図った。リスクも小さくないが、過去数年間で何度も直面してきた改革の失敗という現実を考慮すれば、選手やクラブ、そしてサポーターのフラストレーションはピークに達している。そのエネルギーをモチベーションに変えて、再起を図るより他ない。

 もっとも、戦力はやはりJ屈指だ。原口元気、山田直輝、小島秀仁ら若手有望株の存在はもちろん、田中達也や鈴木啓太らクラブの歴史を知る選手たちは十分な経験を積んできた。そこに新戦力が融合して新たなサッカーへの取り組みがスムーズに進めば、結果はおのずとついてくるだろう。昨季まで本来の輝きを失っていたマルシオ・リシャルデスの再起も焦点の一つで、この背番号10の復活も含めて、良くも悪くも指揮官の手腕に寄りかかる部分が大きい。

【次ページ】 FC東京は現実路線から“理想主義”へと進路を変える。

福西崇史の『考えるサッカー』
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