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小笠原代表復帰を見つめた播戸竜二。
“猛烈な危機感”でC大阪にかける。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byKenta Yokoyama/PHOTO KISHIMOTO

posted2010/03/19 10:30

小笠原代表復帰を見つめた播戸竜二。“猛烈な危機感”でC大阪にかける。<Number Web> photograph by Kenta Yokoyama/PHOTO KISHIMOTO

まだまだ低いセレッソの“プロ意識”。

 新しいチーム、新しい仲間とサッカーをする楽しさは堪能できている。だが、'06年から'09年までガンバの黄金期を生き抜いてきた選手としては、チームに流れる少しばかり緩い空気が気になる。

「プロ意識が、まだ高くない」

 それが歯痒く感じる。

「練習中とか、集中力がキレてジャレ合うことがあるんねんけど、そういうことをしていると試合中に絶対に出るからね。だから、集中してやるところは集中してやらなあかん。個々の選手も、例えば乾は、いいプレーをしてても相手や審判に文句言ったりして、自分でプレーを悪くしてしまう。そんなん言うだけ損やからメンタル的なコントロールして、何があっても動じへんようにした方が自分のためになるぞっていう話はしている。言うても、そこで不貞腐れたりせぇへんよ。『はい』って素直に聞いてくれる。そうやって、意識を高く持っていけば、もっと上にいける。そのために言えることは言うよ。で、若いヤツと一緒に成長していきたいなって思う」

W杯メンバー発表まで残り2カ月だが「全然諦めてへん」。

 セレッソでの生きがいは見つけた。

 だが、代表は待ったなしだ。

 W杯メンバー発表まで、残り約2カ月。岡田監督は試合に出場していない選手については、シビアな評価を下す。ほんの僅かでも選考に引っ掛かるためには、試合出場が最低条件になる。

「現状は厳しいね。けど、全然諦めてへん。FWって本来、点取って選ばれるポジションやと思うんねん。だって、オシムさんは、代表発表の時、いつも最後までFWだけ発表せんで、点取った選手を選ぶみたいな感じやったでしょ。FWは、それでいいと思うし、そういう勢いみたいのが重要やと思う。まぁそのためには、俺がまず勝負できる土俵に立てるようにならなあかん。1分でも試合に出れる時間を増やして、点取って、ちょっとでも選考を悩まさせる存在にならな」

「そういうチャンスをモノにしてきた男やからね、俺は」

 3月14日、4年ぶりの大阪ダービーは、1-1のドローに終わった。播戸の出番は、約3分間。開幕戦よりも少ない時間だったが、貪欲に裏を狙い、ゴールへの意欲を見せた。「どんなに短い時間でも何かしらインパクトを残さなあかん」と、言うように、試合では存在感を示していく。そうして、どんなに少ない時間でも毎試合出場していけば、いずれ大きなチャンスがやってくる。

「その時、バーンと決める。そういうチャンスをモノにしてきた男やからね、俺は」

 自分を強く信じられる選手は、たとえ僅かな可能性でも、何かの拍子に一瞬で幸運の糸を手繰り寄せてしまうのかもしれない。その時を逃さないために、自分のコンディションだけはしっかり維持していく。

「代表に、いつ呼ばれてもいいようにね」

 播戸は、いつも狙っている。

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