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新守護神・工藤泰成と藤川球児の意外な共通点は? 本人が明かす急成長と“マッスルストレート”の舞台裏「一番はメンタル面」「息の長い剛腕に」【阪神タイガース】
勝った後なのにピリピリしていた。
今季ワーストだった連敗を「7」で止めた夜、工藤泰成を囲む取材の輪には張りつめた空気が流れていた。阪神が2位巨人に0.5ゲーム差に詰め寄られて迎えた9月17日の広島戦のことである。5点リードの9回、監督の藤川球児はセーブがつかない展開にもかかわらず、万全を期して8月からクローザーに起用する工藤を投入した。
工藤は先頭に出塁を許したが、160kmを超える速球を交えて後続を断った。久しぶりの勝利なのに、試合後も表情を崩さない。立ち止まると記者が集まってきた。
ひとつめの質問に答えたあとだった。
大量リードした安全圏なのに起用されたのにはどのような藤川の意図があったのか知りたかった。だから、工藤にこう訊ねた。
――5点差があるなかで、ある程度、どんな点差でもいくのは前もって言われ……。
すると工藤は質問を遮り、もうそれ以上の問いかけを拒むように言った。
「それはわからないです」
そして、そのままクラブハウスに消えた。取材は40秒……だが、不意に私が番記者だった18年前の光景が立ち上ってきた。
勝った直後の選手は上機嫌で饒舌になるのが常である。だが、2008年、勝ったときは多くを語らず足早に去るのに、負けたときに立ち止まって思いを語る、不思議な選手がいた。そして、その内容は自らのプレーよりもチームのことが多かった。
リリーフエースだった藤川である。
「火の玉ストレート」の異名をとる快速球を武器に、藤川はその前年に初めてセーブ王に輝く。選手会の副会長を務め、投手陣を束ねる立場にもあった。重責を担う自覚から敗戦後に口を開いていたのだろう。
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