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ハリルも嘆く「どうしてこの時期?」
W杯直前での解任は英断か、愚策か。

posted2018/04/09 21:00

 
ハリルも嘆く「どうしてこの時期?」W杯直前での解任は英断か、愚策か。<Number Web> photograph by Yohei Osada/AFLO SPORT

'16年にJFA会長に就任した田嶋会長。'15年に代表監督となったハリルホジッチ前監督に解任を告げる役とあいなった。

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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Yohei Osada/AFLO SPORT

 4月7日、フランス・パリのホテルにて。ヴァイッド・ハリルホジッチは、日本サッカー協会の田嶋幸三会長の目の前で、驚きと怒りの表情とともに、こう呟いたそうだ。

「(私は)満足ではない。どうしてこの時期に?」

 日本サッカー協会は、4月7日付けでハリルホジッチ監督との契約を解除したことを発表した。

 W杯本番まで残り約2カ月というタイミングでの異例の決断に至った経緯を、田嶋会長は9日の記者会見でこう説明した。

「勝った負けたで更迭を決めているわけじゃありません。みなさんの声だけで決めているわけでもありません。選手たちに話を聞いたが、それだけでも決めていない。マリ戦、ウクライナ戦で、選手の信頼感が薄れた。さまざまな要素で総合的に判断して決めました」

 中でも強調したのが、「選手とのコミュニケーション不足」「信頼感の低下」である。3月のベルギー遠征(マリ戦、ウクライナ戦)でそれが顕著になった、と。

選手たちから漏れていた指揮官への不満。

 確かに3月の2試合の内容は酷かった。

 攻守においてチームとしての狙いが見えず、新戦力の台頭もほとんどなかった。選手たちからも、指揮官のやり方への不満は漏れ聞こえていた。

「長時間のミーティングをやる一方で、プレッシングのタイミングや方法など、具体的な指示はない」

「『裏に蹴れ』という指示ばかりで、裏にスペースがない場合の戦術がない」

「負けた試合後、選手にばかりに責任をなすりつける」

 などなど。ただし、選手が多少なりとも監督のやり方に不満を抱くのは、どこのチームでもあることだ。4年おきに開催されるW杯へのスパンの中でトライ&エラーを繰り返し、本番での最善の戦い方とメンバーを選び出すのが、代表チームであるはず。

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