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槙野智章、30歳にして代表主力に。
道化役から進化した秘密の練習。

posted2017/12/01 07:00

 
槙野智章、30歳にして代表主力に。道化役から進化した秘密の練習。<Number Web> photograph by Getty Images

以前から対人能力は抜群だった槙野。守備面に意識を傾け、ACLや代表で結果が出たことで風格も出てきた。

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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 W杯アジア予選が終了し、ハリルジャパンは本大会への準備期間に入っている。予選突破の決め手となったのは浅野拓磨と井手口陽介の若い力だったが、突破後のニュージーランド戦、ハイチ戦、ブラジル戦、ベルギー戦の4戦すべてにフル出場しているのは、30歳ながらワールドカップ未経験の槙野智章だけだ。

 ロシア行きの切符を獲得した翌日、9月1日のこと。浦和駒場スタジアムでの練習はメディアだけでなく一般にも全面公開された。スタンドからは声援が送られ、駐車場では大勢の人々が待ち受けた。

 オーストラリア戦の主力組は軽いクールダウンだけして引き上げた。一方、サブ組は試合に出ていない分だけミニゲームなど激しいメニューをこなした。

 笑い声が絶えず、その中心で声を出しているのは槙野だった。

「いや……なかなかスタメンに入れんね」

 この時点での代表における槙野の立場は、常に呼ばれてはいるが出場機会はなかなかないと。2009年から断続的に招集され、ハリルホジッチ体制になった当初は先発の座を得たかに見えた。だが、時が進むにつれベンチを温める時間が増えた。10月、11月の計4試合でフル出場するまで、2017年の日本代表戦出場はゼロ。毎回招集されているのに出場機会がないことについて、どう捉えているのか。

「いや……」

 槙野にしては長い沈黙が訪れた。

「なかなか(スタメンの11人に)入れんね」

 広島弁で呟く。

「真ん中でも、サイドでも使われる可能性はあるんだけど。結局、これまでと変わらんよね」

「結局変わらんよね」とはケルン時代から、という意味だ。

【次ページ】 センターバックでやりたいけど居続けることが大事。

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