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2015年のJ1を「数字」で振り返る!
勝ち点、得点、試合数、走行距離。 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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posted2015/11/27 10:20

2015年のJ1を「数字」で振り返る!勝ち点、得点、試合数、走行距離。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

得点数も、警告数もイメージ通り。大久保嘉人はわが道を行き、ゴールを決め続けている。

楢崎の600試合、遠藤&中澤の500試合出場達成。

 十数年にわたって積み重ねた数字が金字塔となった一方で、今季から公開された『トラッキングシステム』によって、意外な選手の名前も出てきた――。

3.J1通算出場記録
<名古屋・楢崎正剛/600試合出場達成>
<G大阪・遠藤保仁&横浜FM・中澤佑二/500試合出場達成>

 '90年代から第一線でプレーし、日本代表でも中軸を担ったベテラン3人が節目の試合出場を達成した。

 まず2ndステージ第13節・柏戦で前人未到となる600試合出場を果たした楢崎だ。今季もチームを最後方から支え、3年連続となるリーグ戦全試合フルタイム出場を果たした。来年4月には40歳の大台を迎える楢崎だが、来季もレギュラーポジションを死守すれば、Jリーグ史に残る記録をまたひとつ刻むことになる。

 フィールドプレーヤーに目を移せば、遠藤と中澤が500試合出場を果たした。非常に乱暴な計算式なのは承知の上で、リーグ戦全試合に出場したと仮定すれば、

 500(通算試合)÷34(18チーム制での試合数)=14.705

 となる。つまり、最低でも15シーズンは主力選手としてチームに貢献しなければいけない。過去22年のJリーグを振り返っても、400試合を超える選手はわずか13人、500試合以上になると上記の3人に加え、伊東輝悦(現・長野/517試合)と山田暢久(現・浦和スタッフ/501試合)の5人しか達成していない。それを踏まえれば彼らが積み上げた試合数がいかに偉業かが分かるだろう。

 そして今季37歳となった中澤はもうひとつの大記録を達成している。それは、2年連続の全試合フルタイム出場だ。それも今季は警告・退場がゼロ。相手アタッカーを抑える任務のセンターバックでこの記録をマークしたのは異例のことである。

来季500試合、400試合を狙える選手は?

 来季、500試合、400試合出場を狙える選手は以下の通り。

<通算500試合出場>
明神智和(G大阪/482試合・残り18試合/今季10試合出場)
阿部勇樹(浦和 /469試合・残り31試合/今季34試合出場)

<通算400試合出場>
二川孝広(G大阪/394試合・残り6試合/今季2試合出場)
森崎和幸(広島 /393試合・残り7試合/今季33試合出場)
田中マルクス闘莉王(名古屋/388試合・残り12試合/今季30試合出場)
佐藤寿人(広島/376試合・残り24試合/今季34試合出場)
那須大亮(浦和/368試合・残り32試合/今季30試合出場)

 そのほかにも鹿島を支える小笠原満男と曽ヶ端準が464試合出場まで伸ばしている。彼らのような精神的支柱が、来季以降も主力としてチームを支えるはずだ。

4.トラッキングシステム
<“湘南スタイル”の象徴、平均走行距離&スプリント回数トップ>
<個人距離・スプリント数で多く名を連ねる意外な選手>

 今季、Jリーグのデータで目玉となった『トラッキングシステム』。チーム全体、そして選手個人の走行距離とスプリント回数(時速24km以上のラン)がひと目で分かるようになった。まずはチーム全体の数字から紹介する。

【チーム平均走行距離/スプリント回数】
順    平均距離    クラブ(年間順位)    平均スプリント回数
1     115.877km     湘南 (8位)      174回(1位)
2     114.725km     松本 (16位)    168回(2位)
3     113.954km     横浜FM(7位)     138回(15位)
4     113.567km     鳥栖 (11位)    141回(13位タイ)
5     113.403km     仙台 (14位)    152回(10位)
6     113.226km     新潟 (15位)    164回(4位タイ)
7     112.165km     清水 (17位)    165回(3位)
8     111.923km     柏     (10位)   133回(16位)
9     111.843km     FC東京(4位)     148回(12位)
10   111.774km     G大阪 (3位)      162回(6位)
11   111.732km     鹿島 (5位)      156回(9位)
12   111.550km     山形 (18位)    160回(7位)
13   111.316km     浦和 (2位)      159回(8位)
14   111.195km     広島 (1位)      130回(17位)
15   110.716km     甲府 (13位)    129回(18位)
16   110.131km     川崎 (6位)      141回(13位タイ)
17   108.515km     神戸 (12位)    151回(11位)
18   107.205km     名古屋(9位)      164回(4位タイ)

※1stステージ第11節・山形vs.柏はスタジアムの停電の影響により、前半43分から前半終了までのデータが取得できず

【次ページ】 スプリント回数は多ければいいわけではない?

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