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久々のフェラーリ勝利の背景にある
浜島裕英“元”エンジニアの功績。 

text by

尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2015/04/05 10:30

久々のフェラーリ勝利の背景にある浜島裕英“元”エンジニアの功績。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

常勝メルセデスの2人を従え、2013年ブラジルGP以来21戦ぶりに表彰台の頂点に立ったベッテル。フェラーリにとっても同年のスペインGP以来、35戦ぶりの勝利だった。

「親愛なるセブ(ベッテルの愛称)へ。正式にわれわれのミーティングへ招待するよ。セパンの金曜日、16時だ。ノートを忘れるなよ!」

 これは開幕戦オーストラリアGP後の3月17日に、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグから、フェラーリのセバスチャン・ベッテルへ向けて書き込まれたツイッターである。

 これには伏線があった。

 開幕戦で3位のベッテルに30秒以上の大差をつけて1-2フィニッシュを飾ったにもかかわらず、レース後の記者会見で2位のロズベルグが、「フェラーリが僕らに追いつくことを願っている」という趣旨の優等生的な発言を行なった。

 これに対して、ベッテルがこんな風に噛みついた。

「本当にそう思っているの!? 僕たちとの差が縮まることを願っているなんて、信じられるわけないよ。本当にそう思っているのなら、マレーシアGPでメルセデスAMGのガレージを公開してよ」

ベッテル「あのツイッターは彼らのPR」

 ロズベルグとベッテルは同じドイツ人ということもあり、気心が知れているがゆえに、衝突すれすれの論争を繰り返してきた経験が何度かある。

 今回も、お互い引くに引けない言い合いとなったが、最後はベッテルが「あのツイッターは彼らのPR。『僕らはこんなにフレンドリーでオープンなんだ』っていうことをアピールしたいだけ。だから、もし僕が行っても、彼らが本当にすべてのデータをオープンにするとは思えないから、僕は行かない」と言って、ロズベルグが指定した日の前日に、ひとまず論戦にピリオドを打った。

 しかし、2人の戦いはまだ終わっていなかった。

 第2戦マレーシアGP、金曜日のフリー走行1回目でロズベルグがトップタイムを記録すると、ベッテルはコンマ8秒差の3番手に続く。2回目のフリー走行でも、ロズベルグに対してベッテルが、その差をコンマ4秒まで縮めたのである。

【次ページ】 日曜日、ついにベッテルが逆転で優勝すると……?

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