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最高のコーチに学んだ“マルケス弟”の戴冠。
~モト史上初の兄弟チャンピオン~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

photograph bySatoshi Endo

posted2014/12/09 10:00

兄弟王者を祝うマルケス兄弟。168cmと小柄な兄に比べ弟は180cmとかなり背が高い。

兄弟王者を祝うマルケス兄弟。168cmと小柄な兄に比べ弟は180cmとかなり背が高い。

 今季最終戦バレンシアGPで、アレックス・マルケスがモト3クラスのタイトルを獲得した。言うまでもなく、モトGPクラスを2年連続で制したマルク・マルケスの弟だ。

 今季、21歳のマルクは史上1位タイの開幕10連勝を達成。さらにシーズン最多13回のPPと勝利で、グランプリの歴史を塗りかえた。その活躍に大きな刺激を受け目標にしてきた18歳の弟は、兄と同じく参戦3年目にして王座に就いた。兄弟チャンピオンは史上初となる。

 2人の世界チャンピオンの父になったジュリアさんは、重機のオペレーターをしながら息子たちをバイクに乗せてきた。苦労話ではなく、バイクレースの盛んなスペインでは普通のことだ。兄のマルクは11歳のときに才能を見いだされ、元125cc王者のE・アルサモラのチームに加入。そこからとんとん拍子に世界の頂点へと駆け上がった。そして、弟のアレックスも兄と同じ道をたどってきた。

 モトクロスやダートトラックなど、兄弟はいつも一緒にトレーニングをする。とにかくバイクに乗る。ただ乗るだけでなく、楽しく乗る。それが才能を磨く秘訣だ。最高のコーチの指導の下、弟が才能を開花させていったのは間違いない。

いつの日にか、兄弟でのチームメイト実現を夢見て。

 王座獲得の翌日には、マルクのモトGPマシンにアレックスが乗って話題を集めた。HRCの中本修平副社長の粋な計らいだ。兄の将来のチームメイト候補かと大きな注目を集めたが、その可能性について中本副社長はこう語る。

「才能で言えば、マルクの方がすぐれている。ただ、アレックスはこの数年の成長カーブが他の選手より大きく、これからの成長次第ではマルクのチームメイトになる可能性がないわけではない。チームメイトにならないまでも、ホンダ陣営でモトGPに乗る可能性は高いと思う」

 今季、モト3クラスでアレックスとタイトル争いをしたJ・ミラーは、一足先にモトGPクラスへの参戦を決めた。しかしアレックスは、兄のようにモト3、モト2と着実にステップを踏んでいく道を選んだ。

 2輪界ではもっとも有名な兄弟。兄と比較されることを発憤材料としてきたアレックスは、兄のチームメイトになるのが夢だと語る。二人が同じ舞台で戦う日は、そう遠くないのかも知れない。

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