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新興「チームタディ」が
アジアのレース界を変える。
~元GPライダー・岡田忠之の挑戦~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

photograph bySatoshi Endo

posted2013/01/22 06:00

左はコンストラクターの森脇氏。彼らの活躍で日本のレース界の未来を明るくしてほしい。

左はコンストラクターの森脇氏。彼らの活躍で日本のレース界の未来を明るくしてほしい。

 ホンダのテストライダーをしながら後進の指導に力を注いできた、元GPライダーの「タディ」こと岡田忠之氏が、このほど新チームを結成。来季からモト2クラスに参戦することになった。暗い話題が多いレース界で大きな話題を呼んでいる。

 500ccクラス5シーズンで通算4勝、最高年間ランク2位という日本人選手の記録を持つ岡田氏は、ニューチャレンジの動機について、こう語ってくれた。

「10数年前まで、日本人選手はすべてのカテゴリーで優勝争いをしていた。それが最近は表彰台にも立てない。ひとことでいえば日本のレース界のレベルが低下している。その理由はいくつもあるが、若い選手たちが成長できる環境がなく、世界にチャレンジする方法も、目標も持てなくなってしまった。

 反面、アジア全体を見ると、確実に世界に挑戦できるレベルになっている。そこで、日本を含むアジアの若い選手たちを世界につれていって、チャンピオンを獲りたいと思った」

ライダーには、250ccとモト2で優勝経験のある高橋裕紀を抜擢。

 もちろん莫大な資金が必要になるが、チーム設立と運営面にホンダの支援を取り付けたことで、夢は一気に実現した。将来的には完全に自立したチーム運営を目指すというから、アジアのライダーにとって「チームタディ」は、大きなチャンスを伴うグランプリへの窓口となる。

 1年目のライダーには、250ccとモト2で優勝経験のある高橋裕紀を抜擢。ホンダエンジン、ダンロップタイヤが1社供給されるモト2クラスで勝敗を大きく左右するマシンは、3年ぶりのタイトル獲得を目指すモリワキとパートナーシップを結ぶことが決まった。すでにスペインと国内で精力的にテストが続いていて、準備は着々と進んでいる。

 それにしても、こんなに嬉しいニュースはない。「チームタディ」で世界へという目標が、日本のレース界を活性化させ、アジアのレベルをさらに引き上げる。'14年には2台体制を予定、将来的にはモト3クラスも視野に入れている。それだけに岡田氏は、1年目から結果を残すことをチームの最大目標に掲げている。

 グランプリで日本人最高の記録を残したタディの情熱が、日本とアジアのレース界を変える。待ちに待ったチャレンジに世界中が注目している。

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