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新機軸マシンの投入で
活性化を図るモトGP。
~来季へ火花散るホンダvs.ヤマハ~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2013/12/07 08:00

新機軸マシンの投入で活性化を図るモトGP。~来季へ火花散るホンダvs.ヤマハ~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

青山がテストしたRCV1000R。公表されている最高出力は175kw/16000rpm(約238ps)だ。

 最終戦の興奮も冷めやらぬなか、バレンシアで恒例のモトGP公式テストが行なわれた。これを最後に来年1月いっぱいまでテスト禁止となるため、3日間の日程は貴重なデータ取りの機会となる。チーム継続の選手は'14年型のテスト、移籍組とモト2からのステップアップ組は乗り換えテストに集中した。

 このテストで大きな注目を集めたのは、ホンダがモトGPクラスに投入する市販レーシングマシン「RCV1000R」だった。このマシンは、ホンダのワークスマシン「RC213V」の廉価版で、2台のマシンと2基のスペアエンジン、そしてエンジンのメンテナンス料も含めて100万ユーロ(約1億3000万円)。高い性能を安価で提供する。

 来季、このマシンを採用するのは3チーム4選手で、今回のテストに参加したのは2チーム3選手。もっとも注目されたのは、'06年にホンダでチャンピオンになり、'09年にドゥカティに移籍したN・ヘイデンだった。5年ぶりに乗り換えるホンダでの初テストは、2台のマシンを3人が交代で乗るため絶対に転べないという条件つきだった。それでもM・マルケスのワークスマシンでの記録から約2秒落ちの1分32秒台前半を記録。ヘイデンのチームメイトの青山博一も1分32秒中盤で走った。

ホンダとヤマハの創意工夫が、戦いのレベルを上げる。

 本格的なテストは来年2月のマレーシアからになるが、RCV1000Rの実力は、バレンシアGPでヘイデンがドゥカティでマークしたベストタイムよりわずかに遅く、CRTマシンで青山がマークした自己ベストを大幅に更新という状況。制約の多い初テストだったが、ホンダの100万ユーロ市販レーサーの実力の高さに、2人が所属するチーム・アスパルのスタッフも大喜びだった。

 一方ヤマハは、フォワード・レーシングに向け、ワークスエンジンのレンタルを開始する。リース料はシーズン80万ユーロ(約1億円)。車体開発は実績のあるFTRが行なうが、性能がワークスマシンに肉薄することは確実だ。

 ホンダの市販レーサーとヤマハのレンタルシステムの導入で、戦いのレベルを上げていくことになるモトGPクラス。近年の課題である台数確保とレベルアップに向けて、来季は一歩前進のシーズンになりそうだ。

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