日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER

森重真人がブラジルで得たいもの。
メンバー発表直前に語った「今」。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byToshiya Kondo

posted2014/05/16 10:40

森重真人がブラジルで得たいもの。メンバー発表直前に語った「今」。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

FC東京ではキャプテンに就任、課題だったラフプレーも大幅に改善しさらなるステップアップを目論む森重真人。速さと強さを兼ね備えた日本では貴重なセンターバックだ。

「積極的なミスは、成長を促すものでもある」

――東アジアカップのパフォーマンスが評価されて、8月のウルグアイ戦、9月のグアテマラ戦、ガーナ戦と続けて招集された際、「代表に長くいればいるほど、ベンチでもいいのかと、なってしまうのかもしれない。だから、東アジアカップのときのように、ギラギラした想いを持っていたい」と語っていましたよね。

「それは今も変わってないですよ。そこが変わったらダメだなという自分がいるし、現状、代表に選出されているからと言って満足しているようなら、そこで成長も止まってしまうと思うので。常に(先発で)出るつもりで準備をしているし、もしスタメンじゃなかったら、途中で出る場合を想定して切り替える。東アジアカップのときの気持ちというのは、忘れずに、持ち続けているつもりです」

――評価を高めたのが昨年11月のベルギー戦だと思います。2失点したとはいえ、高いライン設定を意識するとともに、チャンスがあれば持ち出してクサビのパスを狙うなど、失敗を恐れない姿勢がとても印象的でした。

「“アンパイ”なプレーで、ミスなく無難に終わればいいという考え方もあるとは思うんですけど、自分の場合、積極的にプレーをしていくなかでのミスというのは、成長を促すものでもあると思うんです。

 どれほど完成されたプレーヤーでも小さなミスはあるし、その先、ミスをしたことをどうしていくかが大事だと思うので。僕としては(積極的なプレーで)ミスをしているうちは成長しようという気持ちが自分のなかにあるんだなっていうふうに捉えています」

「ベルギーとそこまで力の差はない」

――W杯シード国のベルギーと90分間戦えたことで得るものも多かったのでは?

「(ベルギーと)技術的にも、チームとしての力もそこまで差はないと感じました。でもアザールがドリブルしてきたら、チームとして止めることはできていても、1対1の局面になったときに食い止めることはまだ難しい。そういった選手と対峙したときに、たとえばボールをつつけたり、前を向かせなかったり、局面で抜かせないようになればチームの力になれると思う。

 特にアジリティーのスピード、1歩目、2歩目、反転のスピードというものに、今年はオフ明けから意識して取り組んでいます。チームのフィジカルコーチに練習メニューをつくってもらって、コーチからもアドバイスを受けながらずっとやってきています」

【次ページ】 2014年初戦は、今野の離脱もありフル出場。

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