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育成出身者がピッチに6人。
セレッソはJ成熟の象徴か。
~柿谷、南野の成長に見える意義~ 

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浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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posted2013/04/09 06:01

育成出身者がピッチに6人。セレッソはJ成熟の象徴か。~柿谷、南野の成長に見える意義~<Number Web> photograph by AFLO

 J1第3節、C大阪対FC東京戦を見ていて、その瞬間、思わず「おっ」と声が漏れてしまった。70分、エジノに代わって杉本健勇が投入されると、C大阪の選手11人のうち、実に6人(他に柿谷曜一朗、山口螢、扇原貴宏、丸橋祐介、南野拓実)までが育成組織(C大阪U-18)出身者となったのである。

 しかも、最近のJリーグでその数を増やしている、大学経由の育成組織出身者はひとりもいない。6人全員が、あくまでJリーグという枠のなかで育てられた選手だという点も、好感が持てた。

 あらためて前節(対甲府戦)の記録を確認してみると、彼ら6人は、そこでも全員同時にピッチに立っている。累積警告などの影響による一時的なものではなく、コンスタントにこれほど多くの自前で育てた選手が出場しているのは特筆すべきことだ。開幕3連勝と好調のC大阪を、彼らが支えているのは間違いない。

 この事実はJリーグの成熟を示す、ひとつの成果ではないかと思う。元々、学生スポーツが主流の日本で、いわば自前のプロ選手養成機関を抱えるJリーグは異例の存在。だが、そんな独自の発想が有効に作用しているということだ。

地域密着で愛されるクラブを目指すために柿谷らが果たす役割。

 個人的には、上意下達で育成組織の保有を義務化するのはどうか、と考えている。例えばユースチームは持たず、地元の高校と連携するクラブがあってもいい。

 しかし、自前で選手を育成することの意義も確かにある。そこで育った選手は、(例えば、柿谷のように)サポーターにとっても思い入れが強く、地域密着でさらに愛されるクラブを目指すなら、彼らの果たす役割は大きいはずだ。

 また、トップチームのスタイルを目の当たりにしながら一貫した指導を受けることによって、(例えば、南野のように)トップ昇格直後の10代にして即戦力になりうるという面も期待できるだろう。

 思えば昨年11月、かのバルセロナでは、ピッチ上の11人全員がカンテラーノ(育成組織出身者)という“偉業”が成し遂げられた。育成組織の充実で世界的に定評のあるバルサは、まさにJリーグが目指す理想を体現している。

 Jクラブがバルサの域まで達するのは容易なことではない。それでもC大阪のようなクラブを見ていると、まったくの夢物語とも思えなくなる。

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