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ナダルの初来日が決定。
世界No.1の技を堪能せよ。 

text by

秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

PROFILE

photograph byHioromasa Mano

posted2010/06/30 06:00

全仏を2年ぶりに制し、目を潤ませたナダル。全7試合ストレート勝ちの完璧な内容だった

全仏を2年ぶりに制し、目を潤ませたナダル。全7試合ストレート勝ちの完璧な内容だった

 世界ランキング1位のラファエル・ナダル(スペイン)が、10月4日に東京・有明で開幕する楽天ジャパンオープンへの出場を表明した。日本のテニスファンが待ちに待った初来日だ。

 昨年は両ひざのけがに苦しみ、7月には世界ランク1位の座をロジャー・フェデラー(スイス)に明け渡した。しかし故障も癒え、今季は得意のクレーコートシーズンで完全復調。全仏では2年ぶり5度目の優勝を飾り、ランキングも1位に返り咲いた。

 ナダルは大会主催者を通じて「日本に初めて行くことは大きな喜びであり、とても興奮している」とコメントしたが、これは来日を待ち望んでいたファンの気持ちでもあるだろう。

 ここ数年、楽天オープンはフェデラーを招聘し、集客の目玉に据えてきた。しかし、テニス界の王者は体調不良を理由に一度ならず二度までも開幕直前に出場をキャンセル。そのたびにファンは失望し、大会側は煮え湯を飲まされた。そこで今回は、もう一方の雄であるナダルにアプローチし、出場の確約を得たという。

赤土の王者はハードコートをどう克服するのか?

 テレビでしかそのプレーを見る機会のなかった日本のファンには朗報だ。映像では、彼の本当の魅力は伝わらないような気がしてならない。コートを疾走する躍動感。速いラケットスイングから打ち出されるボールの勢い。そして、雄牛を思わせるような猛々しさを、ぜひ観客席で堪能してほしい。

 赤土の王者が有明コロシアムのハードコートをどう克服するかというのも興味深い。ナダルが本領を発揮するのは、クレーなどバウンドの遅いコート。選手に「世界でも例がないほど速い」と評される有明コロシアムのコートと相性がいいとは言えない。

 だが、'09年の全豪を制するなど、近年のナダルはハードコートを苦にしない。ボールに様々な回転をかけることで、彼はラリーのテンポを自在に操る。回転量を増減し、弾道の高さを調節しながら、攻撃的な局面ではラリーのペースを上げ、守備的な局面では時間を稼ぐ。高速コートの有明でも、スピンを駆使し、空間と時間を支配しようとするはずだ。

 大会には錦織圭も出場する予定だ。人気者同士の対戦が実現すれば、有明の興奮は沸点に達することだろう。

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