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ジュニア成績は錦織凌ぐ、
次世代のホープがプロへ。
~新進気鋭の18歳、内田海智~ 

text by

秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

PROFILE

photograph byHiromasa Mano

posted2012/11/13 06:00

ジュニア成績は錦織凌ぐ、次世代のホープがプロへ。~新進気鋭の18歳、内田海智~<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

180cmの長身を生かしたサーブと躍動感溢れるプレーが武器。尊敬する選手はフェデラー。

 ジュニアとして臨んだ最後の大会、大阪市長杯世界スーパージュニアで内田海智は惜しくも準優勝だった。四大大会ジュニア優勝を目指してきたが達成できず、それに次ぐ格の、しかも地元大阪で開催される大会を最後のチャンスと位置づけた。しかし、決勝で第1シードに惜敗、夢はかなわなかった。

 2010年、16歳の内田は国別対抗戦のジュニアデビスカップで日本代表を優勝に導く。男女のあらゆる年代を通じて、日本代表の世界大会初優勝だった。単複に全勝の活躍で、「カイチ」は同年代の選手が一目置く存在になった。その後は個人戦で頂点を目指したが、ライバルたちに「遅いペースのラリーが苦手」と研究され、2度目の「世界一」を味わうことはできなかった。

 来春の高校卒業をメドに、プロになる。戦績、実力とも十分、その資格を満たしている。ジュニア世界ランク自己最高は3位。錦織圭が逸した四大大会ジュニア4強入りを昨年のウィンブルドン、今年の全米と2度も果たした。パワーとボールの質には国内外の指導者が二重丸をつける。ライバルたちが打ち合いのペースを落とそうとするのは、それだけ内田のスピードに手を焼いているということだ。

「僕のスーパープレーの連続で……」と言ってしまえる素直さ。

 パーソナリティは、独特だ。ジュニアデ杯で最大の難関だったフランス選手との対戦を振り返り、当時16歳の内田はこう話した。「正直、勝てないと思っていたんですけど、僕のスーパープレーの連続で相手が何もできなくて終わっちゃったって感じです」。思わず笑ってしまったが、照れずに「スーパープレー」と言ってしまえる素直さ。このポジティブ思考は教えて教えられるものではない。

 かといって、ふわふわした“天然キャラ”というのではなく、現実も見ている。先の楽天オープンで錦織のプレーを見て、内田はこうつぶやいた。「どうしたら、ああいうプレーが出てくるのか、僕には全然分からない」。試合運びのつたなさは内田の課題。自分の武器と相手のいやがるプレーをうまく案配しながら、自在に戦う錦織を見て、自分の現状との隔たりを改めて実感したのだろう。

 当面の目標は「2年後に、世界ランク100位」。まだ、やるべきことは多いけれど、自分を信じる力の強い彼なら、案外、クリアしてしまうかもしれない。

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