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「2年目のジンクス」は、
本物のFWへの通過儀礼。
~大前、柿谷らに問われる真価~ 

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浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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posted2012/11/17 06:00

「2年目のジンクス」は、本物のFWへの通過儀礼。~大前、柿谷らに問われる真価~<Number Web> photograph by AFLO

怪我で前半戦を欠場した2008年以外、常に得点ランク上位の前田。日本代表でもスタメンを張る。

 J1で現在、ふたりの点取り屋が注目を集めている。大前元紀(清水)と、柿谷曜一朗(C大阪)だ。

 両選手はともに今季、自身初の二桁ゴールに到達。31節終了時点で、大前は12ゴール、柿谷は11ゴールを記録している。大前は昨季すでに8ゴールを挙げ、その予兆を示してはいたが、柿谷は過去J1ではノーゴール。それが今季、初ゴールを挙げたばかりか、その数を二桁まで乗せる大躍進を見せている。

 と、ここまで書いて、ふと思い出した。実は昨年も、当欄で同じようなことを書いた。J1で自身初の二桁ゴールを記録したハーフナー・マイク(当時、甲府)、田中順也(柏)、小林悠(川崎)らが、得点王争いに加わり、新鮮な印象を与えている、というものだ。

 ところが、今季の彼らはというと、2年連続で二桁ゴールに届いた選手は(現時点では)いない。ハーフナーが海外移籍していなければ、とは思うが、結果的に、彼らは押し並べて「2年目のジンクス」に苦しんでいることになる。

佐藤寿人や前田遼一のような安定感がないと、得点王にはなれない。

 その一方で、今季もまた、冒頭のふたりのほか、豊田陽平(鳥栖)、工藤壮人(柏)、佐藤晃大(G大阪)が、自身J1初の二桁ゴールを達成した。優れた日本人ストライカーの誕生は待望久しく、彼らの台頭は喜ばしいことではある。

 しかし、それが日替わり、いや、年替わりで出てくるだけで、誰もコンスタントに活躍できないようでは、真に頼れるストライカーは生まれてはこない。

 実際、J1得点王レースを独走する佐藤寿人(広島)は今季で4年連続、J2での2シーズンを含めれば、9年連続の二桁ゴール。2年連続得点王になった前田遼一(磐田)にしても、今季で4年連続だが、さらにさかのぼれば、最近8年で7度の二桁ゴールがある。

 つまりは好不調の波に左右されず、コンスタントに得点を重ねられるようでなければ、得点王になどなれないことを彼らは証明している。コンスタントに活躍できてこそ本物。1年だけの活躍で終わったのでは、やはり意味がない。

 大前、柿谷をはじめ、今季初の二桁到達を果たした選手のうち、何人が「2年目のジンクス」を打ち破れるのか。今季終了を前に少々気の早い話だが、彼らの真価が問われるべきは来季である。

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