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10代最後の夏で
石川遼が得た新感覚。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

PROFILE

photograph byShizuka Minami/T&t

posted2011/08/20 08:00

ブリヂストン招待では首位と1打差の2位で最終日を迎えるもスコアを伸ばせず4位タイ

ブリヂストン招待では首位と1打差の2位で最終日を迎えるもスコアを伸ばせず4位タイ

 全米プロゴルフ選手権の前週に開催されたブリヂストン招待世界選手権の試合前の大きな話題は、3カ月ぶりにツアーに復帰したタイガー・ウッズだった。

 今季、タイガー不在の米ツアーは、ルーキーが6勝するなど「すでにタイガーの時代は去った」という意見がある一方で、視聴率やギャラリー数効果を見込んだ「タイガー待望論」も根強く存在した。

 果たして、この大会は、タイガーがかつてのオーラを他の選手に感じさせることがないまま、若い選手で上位が埋め尽くされた。

 その一人が4位となった石川遼だった。この大会前までの彼のゴルフを見ていると、まるで悩み抜いているまま、試合で戦っているように見えた。逆の言い方をすれば、急激にあれもこれもと情報や技量を吸収しようとし過ぎて、消化不良を起こしているようでもあった。

 まさに、「やろうとしていることと結果が余りにも食い違っている」というゴルフだった。

「世界のメジャーで戦うということは、テスト感覚」

 でも、石川は外側から見ているほどの焦りはなかったのだと思う。

 5月末に彼と話したときに、こんなことを言っていた。

「僕は、1段ずつどころか、かなり(階段を)飛ばしてきたような気がするんです。つまり、実力以上に結果があまりにも先走っている気がします。僕が今、しなければいけないことは、(飛び越した階段を)ひとつひとつ埋めて行くことだと思っています。ですから僕にとって、世界のメジャーで戦うということは、テスト感覚なんですよ。例えて言えば、問題文を読めても解けないということを繰り返している。今年解けたものもあれば、まだ解けていないものもある。今はそういう時期でいいと思っています」

 6月の全米オープン最終日に68を出せたことで、ひとつの問題が解けたのではないか。

 この世界選手権での石川のゴルフは、肩肘をはらず、いきがらず、無謀な挑戦をせずに、アグレッシブなゴルフで戦い抜いた気がする。

「(最終日は)勝負をかけるのが少し早かった」というように、最後の駆け引きを学んだ。9月でいよいよ20歳になる石川。10代最後の夏で得たものは大きい。

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