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甲子園にまでグローバリズムの波が。
「頭脳的プレー」は「汚いプレー」? 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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posted2011/08/10 18:30

甲子園にまでグローバリズムの波が。「頭脳的プレー」は「汚いプレー」?<Number Web> photograph by KYODO

8月6日の開会式。「がんばろう! 日本」の横断幕を先頭に一斉行進する選手たち。高校野球の原点はフェアプレー精神と言われるが、球児たちには今後、“世界基準のフェアプレー精神”が求められていくのかもしれない

 今大会は例年以上に、守備妨害、走塁妨害、ボーク等の違反行為に対するジャッジが厳しい印象がある。「疑わしきは、すべて罰する」という姿勢だ。

 それを象徴していたのが大会2日目第3試合、花巻東と帝京の試合だ。1回戦屈指の好カードは激しい競り合いになった。

 先行する帝京に花巻東が、1回裏(2点)、4回裏(3点)、6回裏(2点)と、3度までも同点に追いつくという展開。

 それでも四たびリードを許し、花巻東は7-8と1点ビハインドで最終回を迎えた。

 1死後、代打が左前打で出塁。すかさす代走を送り、その走者が次打者の初球に盗塁を決めた。

 1死二塁――。

 完全に花巻東の流れだった。が、ここで、主審が試合を静止し、走者を一塁に戻した。そして、打者にはアウトが宣告される。

その翌日、作新学院vs.福井商でも見られた微妙な判定。

 あとで映像を確認すると、バントにいく格好を見せていた打者は、外のボール球だったため、見送った際、ホームベースの前に立ちふさがる格好になってしまったのだ。

 帝京の捕手、石川亮は「視界に入って、投げづらかった」と話す。

 守備妨害を取られても致し方ないプレーだった。

 花巻東の監督、佐々木洋は説明する。

「走者は走れるときに走れというサインで、打者はセーフティーバントにいった。そうしたら、走者がたまたま初球に走って、バッターは外の球を見送ったため前に出てしまったんです……」

 大会3日目第1試合、作新学院と福井商のゲームでも同じようなシーンがあった。

 4回表、作新学院は無死一塁から一塁走者が盗塁を試み、タッチアウト。その際、打者が空振りをしたあと、捕手の前を横切ったため、主審に注意を受けたのだ。おそらく、アウトになっていなかったら守備妨害を取られていたことだろう。

【次ページ】 ジャッジが厳しくなったきっかけは3年前の北京五輪。

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