アジアカップ準々決勝を前に、カタール代表監督のブルーノ・メツが、日本を「アジアのバルセロナ」と評して話題となった。その意味は(日本が、それにふさわしいかどうかはさておき)、強さだけでなく、美しさも持つパスサッカー、といったところだろうか。現在のサッカー界では、バルサに例えられることは、最高のほめ言葉だと言っていい。
先月決勝が行なわれた高校選手権でも、準優勝した久御山が「京都のバルセロナ」と呼ばれていた。パスサッカーを志向する高校は増加傾向にあり、「○○のバルセロナ」が、今後も出現する可能性は高い。
結局のところ、パスサッカーこそがバルサの代名詞なのである。実際、美しさの源が、そこにあるのは事実だろう。
ただし、圧倒的な強さの秘密は、むしろディフェンス。とりわけ、ボールを失った瞬間からの奪い返しに移る速さにあるのではないかと思っている。
人数をかけ、ショートパス主体で攻撃しようとすると、どうしても相手にカウンターを許す危険性が高まる。
ところが、バルサの場合、一度ボールを失っても、すぐさま守備に切り替わり、一気にボールへ襲いかかる。ときに相手のカウンターはおろか、満足なクリアすら許さない一方的なゲームに出くわすことがあるのは、これができるからだ。
パスサッカー志向の元祖、静岡学園はなぜ画期的だったのか。
その点に関して言えば、今回の高校選手権で久御山以上にバルサ的だったのは、静岡学園である。
静学と言えば、高校サッカー界ではパスサッカー志向の元祖。だが、今回のチームは従来の特徴に加えて、とにかく守備への切り替えが速かった。これによって対戦相手は、一度は静学の攻撃を止めることができても逆襲に移れず、連続攻撃を受けなければならなくなった。
体力の問題か、さすがに試合後半は緩んだが、3回戦で消える(日章学園にPK負け)には惜しいチームだった。
高校年代でのパスサッカーの流行は、結構なことだが、ボールを失った後は人任せでは話にならない。こうした守備の意識を身につけることは、将来を考えた上でも非常に重要なことである。
その意味において、静学は画期的だった。今後、本当の意味でバルサと形容されるにふさわしいチームが、高校年代にもっと増えてほしいと思う。
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