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全国高校サッカーで見た、
3つの強烈な“個性”。
~宮市亮、柴崎岳、樋口寛規~ 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

PROFILE

photograph byKYODO

posted2011/01/31 06:00

全国高校サッカーで見た、3つの強烈な“個性”。~宮市亮、柴崎岳、樋口寛規~<Number Web> photograph by KYODO

決勝で通算8点目のゴールを決めた樋口。今大会の得点王に輝いた

 滝川第二の初優勝で幕を閉じた第89回高校選手権。今大会を彩った多くのタレントたちの中で、一際目を引いたのが宮市亮(中京大中京)、柴崎岳(青森山田)、樋口寛規(滝川第二)だ。彼らは他の選手とは一線を画す強烈な個性を持っていた。

 3人のプレーからは技術、精神的にも伸びシロが感じられる。彼らが次なるステージで活躍する日も、そう遠くなさそうだ。

 特にアーセナル入団内定の宮市と、鹿島入団内定の柴崎は、その話題性も手伝って、大会前から注目を一身に集めていた。

 宮市は準優勝した久御山と初戦で激突。持ち前の爆発的なスピード、トップスピードでも落ちない足元の技術、そしてシュートセンスを生かし、1得点1アシストの活躍をみせたが結果は2年連続の初戦敗退。最後の選手権は早々に幕を閉じた。

アーセナルの練習に参加し、ベンゲル監督に絶賛された宮市。

 宮市の転機は一昨年のU-17W杯だった。「衝撃でした。相手はサッカーで飯を食うという明確な目的意識を持って、サッカーにすべてを懸けている人たちばかり。全身全霊でぶつかってこられたのは本当に驚いたし、自分たちは甘いなと痛感した。掻き立てられました」

 その経験が宮市に世界を意識させた。昨年はアーセナルの練習に参加。そこでベンゲル監督にスピードとシュートを絶賛され、将来の道を切り開いた。「スピードは僕の生命線。これを武器に世界で戦う。もっと磨きをかけていきたい」。

 柴崎も3回戦で姿を消した。彼は一見、生粋のパサーに見られるが、「うまい選手に『活かされたい』と思うし、守備面でも『こいつが何とかしてくれるなら、自分は一生懸命ボールを取って渡して、活かされよう』と思います。自分よりうまい選手たちと連動して動くことが何より楽しい」というハードワークもいとわないタイプだ。だがチームでは彼が中心となり、活かされるプレーよりも活かすプレーが多くなった。

 確かに指摘されたように運動量が少なかったかもしれない。しかし、それは「全体を考えたときに、自分が下がった方が安定する」と、大黒柱としての立場がそうさせていたのである。今後は自分より技術の高い選手が多くいる環境に飛び込む。「鹿島には小笠原選手などレベルの高い選手がたくさんいます。そんなプレーヤー達から『活かされる選手』になりたいと思います」。不完全燃焼に終わった今大会を乗り越え、更なる高みへのチャレンジを誓う。

【次ページ】 樋口は選手権での活躍で清水の入団テストに“合格”。

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