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日本代表に“トロイカ体制”の提案。
「ハジメマシテ」な新監督は勘弁を。

posted2018/07/17 11:30

 
日本代表に“トロイカ体制”の提案。「ハジメマシテ」な新監督は勘弁を。<Number Web> photograph by Getty Images

西野ジャパンを現場で支えた手倉森誠、森保一コーチ。今大会を成功とするならば、内部昇格は自然な選択肢だ。

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北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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 次期代表監督は誰か。不都合な事情を無視してよければ、ジュビロ磐田を率いる名波浩監督を挙げたいところである。

 そこでイチオシの理由をあれやこれや書き連ねたいのだが、何しろ、磐田と契約中だ。適任云々以前に、そこが大きなネックになってしまう。いかんせん日本のトップクラスの指導者はたいてい、Jクラブを率いる身だ。そっちの仕事を放り出して、こっちへ来てくれ――とは言えないわけである。

 年明け早々、アジアカップが控えているのも、監督人事を難しくしている一因だろう。これまでアジアカップ優勝国が参加していたコンフェデレーションズカップは廃止となるが、2021年から大陸ごとに代表チームが争う「ネーションズリーグ」の設置が噂されている。アジアカップを制し、この出場権が手に入れば列強と真剣勝負ができる貴重なチャンスだ。

 準備期間は半年もない。早めに後任監督を決めたいわけだ。だからJリーグのシーズン終了を待っているわけにはいかない。その点も、日本の指導者を選択肢に入れにくい一因だろう。代表とJクラブを「一時的」に兼任してもらうアクロバットな手法もないわけではないが、道義的にも得策ではない。

「世界標準」のコピーが日本の利得になるとは。

 いや、そもそも卓越した手腕、十分な実績を誇る外国の指導者でいいでしょ――という考え方もある。ただし「ニホンノミナサン・ハジメマシテ」というタイプの方々は、もうご勘弁願いたい。

 やっと日本サッカーが築いてきた「資産」を十全に生かし、ベスト16へ進んだというのに、いいから黙って俺のやり方に従え――と無理やり「オレ流」を強要されては、お互いに不幸だろう。

 たとえ、そのやり方が現代サッカーの『世界標準』なのだとしても、それを丸ごとコピーすることが、日本人の利得につながるとは限らない。

【次ページ】 手倉森、森保両コーチの二人三脚ではどうか。

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