サムライブルーの原材料BACK NUMBER
40歳間近の俊輔が語る「衰え」。
メッシと、昔の自分と、今の自分。
posted2018/02/18 09:00
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Getty Images
中村俊輔はオッサン化しない。
今年6月に40歳になるというのに、若手と同等、いやそれ以上によく走る、よく練習する。
ジュビロ磐田の鹿児島キャンプ。雄大な桜島をバックに、ネックウォーマーを帽子代わりにしてコンディションを上げていく中村がいた。
まあ体型はスリムだし、まあいつ見ても肌ツヤがいい。10年前と比べたところで、そこまで大きくは変わらない。
でも一番、何が変わらないかって、向上心である。
夕食前、Numberで不定期連載中の「サッカー覚書」のインタビュー前にも、部屋でリオネル・メッシの映像を見ていたという。
「4-4-2(の2トップ)になっても、メッシは異次元すぎる。ボールをいっぱい触れる反面、相手に削られることも多くなった。それでも楽しそう。アドレナリン全開って感じ」
参考にもならないほどの異次元ぶりと言わんばかりに、彼は大きなタメ息をつく。そうやっていつも成長のタネを探しているのも変わらない。
俊輔が「衰え」について語ること。
2カ月前のこと。
これまでの連載をまとめて単行本にするため、シーズンを終えたタイミングでカバー写真の撮影を行った。
来年40歳になる。
撮影の合間にそう振ると、「衰え」の話になった。
「技術はやり続けないと衰える。だからそこを食い止める作業をやっていかないといけない。体力もそう。若いときに比べたら、どうしても回復が遅くなる。そこに抵抗していかないと。
もし思ったように体が動かないとなったら、ボールタッチ数は少ないかもしれないけど、状況判断のいいプレーで勝利に持っていくとか、そういう抵抗もある。でもそこで大切になるのがメンタル。ここが一番、衰えちゃいけない」